木目込み人形は、今から約二百五十年ほど前、江戸時代の元文年間に、京都の賀茂神社の雑掌高橋忠重が工夫したものと伝えられ、賀茂人形または加茂川人形などとも呼ばれています。賀茂人形は木彫りの土台に刻み目をつけて、刻み目の溝に糊を入れ、ちりめんあるいは綿などの布地の端を、目打ちでもって木目込んで作りました。布地を木目込むことによって、実際に縫った衣装を着せたのと同じ味わいを出しているのが特徴で、現在では木彫りではなく、量産のため主に樹脂に溝の入った胴体を形成しています。またごく一部では『とうそ』と呼ばれる木の粉を糊で固めた胴体を形成し作った木目込み人形もあります。